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ソチ五輪の羽生結弦選手のFS演技を振り返る
昨日の記事に書いた男子シングルのジャンプのルールを確認しながら、ソチ五輪の男子シングルの羽生結弦選手のプロトコルを振り返ってみようと思います。

ソチオリンピック男子シングルフリースケーティングプロトコル

グランプリファイナル男子シングルフリースケーティングプロトコル(比較のため)

冒頭の4S(4回転サルコウ)はGOE(技の出来栄え点)が-3。転倒してしまったので出来栄えは全ジャッジが最低点の-3をつけています。でもこれはグランプリファイナルでも同じ点数がついているので、ファンにとってはある意味「想定内」。

ああっと思ったのは3つ目のジャンプの3F(3回転フリップ)。グランプリファイナルではキレイに跳んでGOEは1.4。一方ソチ五輪では転倒扱いになり-1.9。

その他の要素もちょっとずつちょっとずつ、グランプリファイナルの時よりGOEが低い。

でも一番大きな差が出てしまったのは9つ目の要素のジャンプ。

予定では、3Lz+1Lo+3S(3回転ルッツ+ハーフループ+3回転サルコウ)のジャンプコンビネーションを跳ぶはずでした。が、ここでミスが・・・。

前回の記事でジャンプコンビネーションとジャンプシークエンスについて書いたところを思い出してみてください。

・ジャンプコンビネーション:着氷した足でそのまま次のジャンプを跳ぶ2連続または3連続ジャンプ、もしくは1つ目のジャンプの後にハーフループを挟んだ3連続ジャンプ。基礎点は跳んだそれぞれのジャンプの合計。(ただし、ハーフループはシングルループの基礎点をもらえる。)

・ジャンプシークエンス:ジャンプのリズムを保ったままホップや表外ジャンプ(基礎点のないジャンプ)でつないだ連続ジャンプ。ステップやターンでつないではいけない。コンビネーションの基礎点はそれぞれのジャンプの合計なのに対し、シークエンスはそれぞれのジャンプのうち、もっとも基礎点の高いジャンプ2つの基礎点の合計に0.8を掛けた数字が基礎点となる。

ジャンプコンビネーションは着氷の足でそのまま次のジャンプを跳ぶか、ハーフループを挟んですぐに次のジャンプを跳ぶ3連続ジャンプでなければいけません。が、羽生選手はハーフループの後、すぐに3つ目のジャンプを跳べませんでした。

このため、この3連続ジャンプがジャンプコンビネーションと見なされませんでした。

ジャンプコンビネーションと見なされないとジャンプシークエンス扱いになってしまうのです。

さらに、ジャンプシークエンスには「ジャンプのリズムを保ったままホップや表外ジャンプ(基礎点のないジャンプ)でつないだ連続ジャンプ」という決まりがあります。

ハーフループの後の3回転サルコウへの流れが悪かったため、「ジャンプのリズムを保った」と判断されませんでした。

ジャンプシークエンスの場合、ジャンプのリズムを保ってつなぐことができなかったそのあとのジャンプはすべて無視されてしまいます。

(※↑この部分、ISUのルールブックでどうしても見つけられません・・・。どこに書いてあるかご存知の方がいらしたら、ぜひ教えてください。)

よって、このジャンプシークエンスは「3回転ルッツ+ハーフループ+3回転サルコウ」のシークエンスではなく、「3回転ルッツ+ハーフループ」の2連続のシークエンスとして扱われてしまいました。

ジャンプコンビネーションまたはジャンプシークエンスの中で跳んだハーフループは1回転ループとして扱われるので、基礎点は0.5点。3回転ルッツの基礎点は6.0で、3回転サルコウは4.2点です。

予定通りのジャンプコンビネーションの場合、「6.0+0.5+4.2」で基礎点の合計は10.7。さらに演技後半のジャンプは基礎点が1.1倍になるため、このジャンプの点数は11.77点となるはずでした。

ところがジャンプシークエンスになり3回転サルコウが無視されて、「6.0+0.5」となり基礎点合計は6.5、とはなりません。ジャンプシークエンスは「基礎点の合計に0.8掛ける」というルールがあるため、このシークエンスの基礎点合計は6.5の8割の5.2となってしまうのです。演技後半のジャンプのため1.1倍になりますが、それでも点数は5.72。

予定通り跳べた場合と比べて6.05点も低くなってしまったのです。グランプリファイナルの時は予定通り跳べて、基礎点11.77点がもらえています。

これがフィギュアスケートの観戦を難しくしている要因の一つ。

ルールを知らずに見ていると、転倒したわけでも手をついてしまったわけでもなく、ジャンプもきれいに跳んでいるように見える。でも結果をみると点数が伸びない。

それはこういう複雑なルールによる結果なのですね。

GOE(出来栄え点)や演技構成点というジャッジの主観が入る要素が、思ったより点数が高かったとか低かったとかいう結果に影響してると思われがちですが、ジャンプのルールも大いに関係しているのです。

もう一つ、スペインのハビエル・フェルナンデス選手のプロトコルについても書こうと思ったのですが、長くなるのでまた続きます~。

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テーマ:フィギュアスケート - ジャンル:スポーツ














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